IKEUCHI ORGANIC 社長。1991年、慶應義塾大学を卒業後、証券会社に入社。小売チェーン店へ転職し、販売促進、新業態開発、基幹システム導入に携わり管理部門取締役を経て退職。2009年にIKEUCHI ORGANIC株式会社に入社。2016年6月より代表取締役社長を務める。
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お洗濯における節水とゾンビ汚れ
2024.08.20
目次
IKEUCHI ORGANICの阿部です。
ご家庭でできるタオルの風合いを長持ちさせる方法として、お洗濯時の水量を増やすことと、すすぎを3回にすることについて、ご説明させていただきました。
節水と環境負荷低減の問題
まずみなさん疑問に思われるところが「水資源の無駄遣いじゃないか?」というところだと思います。
仰る通り、世の中で言われている「節水」の洗濯方法とはかけ離れておりますが、なぜ「節水」だとタオルの風合いがよくならないのかをお話いたします。
現在、皆さんがお使いの洗剤はいろいろな機能や付加価値が付いた洗剤が主流ではないでしょうか。
洗剤の主な機能は以下の通りです。
①より白くなる
②香りが長持ち
③すすぎゼロ回
④抗菌、消臭機能付き
お使いになった結果、以前お使いになっていた洗剤からかなり改善しているとお感じのことと思いますが、肝心のタオルについての風合いは良くならないということはありませんでしょうか?
IKEUCHI ORGANICがご案内しているタオルメンテナンスサービスを通じてわかったことですが、お客様からお送りいただくタオルは、初見では特に問題がないように見受けられるものもございます。
しかし、最初の処置で、奥にある汚れがまだらに浮き出し、お預かりした時よりも黒ずんだ部分が浮き出て見えるという症例が多いことも事実です。
これは、「視覚的には改善していても、根本が解決していない」ということの代表例です。
例えば黒ずみは、堆積している残留物に雑菌が結びついている状態がほとんどです。
しかし、その黒ずみが「見えない」状態になるから、堆積した残留物まできれいに取り去られているのか?というと、そうではありませんので処置をすると蘇ってくる場合があるのです。
蘇る汚れ(ゾンビ汚れ)について
まず、お送りいただいたタオル類は、風合いの硬さを除いては一見問題なさそうに見えるところが手強いポイントです。
タオルメンテナンスサービスでの処置は
①殺菌処理を行う
湯温40℃で逆性石鹸に浸け置きする
②漂白処理を行う
湯温60℃で過酸化水素溶液に浸け置きする
③洗濯用石鹸で洗う
湯温85℃で10分間煮洗いする。
④すすぎ
湯温40℃で3回行う
という一連のものですが、初回の処置で黒ずみが逆に目立つという事が起こっております。
これは恐らく、黒ずみを覆っていた蛍光増白剤が剥がれて、もとの黒ずみが浮き上がってきたものと推測しています。
事実、上記の処置を2~3回繰り返すほどに症状は改善していくところを見ると、除去すべきものが除去できていなかったという推測が当てはまる気がします。
記事を書いた人
阿部哲也