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Vol.43

様々な協力会社の手を経て完成へと至る、タオル製造の裏側

IKEUCHI ORGANICでは全ての工程を内製するのではなく、様々な協力会社の手を経て完成へと至り、そのトレーサビリティを公開しています。そのなかで、各協力会社の方々との窓口を一手に担っているのが、縫製検品出荷課の松本さんです。どのようなことを意識して、製造管理の仕事に日々向き合っているかを語ってもらいました。

縫製検品出荷課 松本

様々な協力会社の手を経て完成へと至る、タオル製造の裏側

製造現場から、製造管理の仕事へ

今治本社工場にて、縫製検品出荷課で働いている松本です。

IKEUCHI ORGANIC(当時は池内タオル)には2009年に入社し、最初の数年間は解反(かいたん)の仕事を。その後は5年ほど製織(せいしょく)の仕事につとめてきました。手の空いた時間で検品の手伝いもしたりと、タオルの製造に関わる業務を一通り経験してきたつもりです。

子どもの頃から機械をいじることが好きで、その延長線で製造の仕事を選んだ私でしたが、4年ほど前から製造現場から離れ、製造管理を担当することになりました。

IKEUCHI ORGANICでは、様々な発注元による製造が行われています。自社ストアで売るための製造もあれば、法人のお客さまからの依頼による製造もあります。それぞれに定められた納期があり、その納期までに出荷していくことが会社の信頼を高めることになります。

また、どれだけの人員と時間をかけるかという「工数(こうすう)管理」も、製造管理において重要な要素です。工数の適切な見積もりがなされていない場合、製造計画のズレや納期遅れなどのリスクが高まってしまいます。

予定された納期までに、予定されていた工数で、きっちりと出荷していく。それが製造管理の仕事です。

新しい案件が入ると、はじめに生産部の渡邊部長が工数と予算の大枠を見積もります。その内容に沿って、私のほうで製造計画を立て、社内や協力会社の方々と調整を進め、計画に遅れがないかなどを随時追っていきます。

納品する量が少ないオーダーであれば自社でほぼ完結することもできますが、ボリュームのあるオーダーの場合は協力会社さんの協力が不可欠になります。納期までのスケジュールがギリギリの場合は、進捗を細かく追いながら、計画を更新し続けていく必要があり、気を抜くことができない仕事です。

相場を読み、少しでも日程を詰めていく

製造管理で大切なのは、先々に起こることをどれだけ事前に読めるかです。私はこれを「相場をどれだけ読むか」と言っています。

タオルの製造には様々な工程があり、どこかの工程が遅れると、その後の工程の人たち全員に影響が及びます。工程ごとに別々の協力会社さんが担当しているので、どこかで何かが起こると、それぞれの会社さんと個別に調整を行う必要があります。

起こるかもしれない不測の事態を先読みしながら、細かい調整が求められる仕事で、製造管理を担当し始めた頃は色々と失敗も経験しました。その度に協力会社さんに色々と助けていただいたり、教えてもらったりしながら、「この失敗を次に活かしていこう」と思って、ここまでやってきました。

特に意識しているのは、少しでも前倒しで進めていくことです。やはり、出荷日ギリギリで完了となってしまうと、土壇場で予期せぬことが起きた際に対応ができません。2日や3日前に完了し、予備日をつくれば、何かがあっても余裕をもって対応できます。そうした状態に近づくために、少しでも効率をあげて、日程を詰めていきたいと考えています。

とはいえ、それでもギリギリになってしまうことも多く、この仕事の難しさを痛感することばかりです。私は出荷も担当していますが、商品を無事出荷した際には、ホッと肩をなでおろすことが多いです。

この仕事を担当していると、本当に多くの方々の協力のもと、IKEUCHI ORGANICのものづくりが成り立っていることがよくわかります。今後も、自分なりに工夫を重ねて、協力会社の方々からより信頼をいただけるように努めていきたいです。

持てる全てを使って、若い人たちを支えていく

この会社で10年以上働いていますが、私にとってIKEUCHI ORGANICは、会社というよりかは、自分の住んでいる家のような感覚です。

家の中で使い勝手が悪いところがあれば、住みやすくなるようにDIYしていきますが、それは会社も同じだと思います。自分が働きやすいように、自分なりに工夫を凝らして、動いていく。IKEUCHI ORGANICは、そうした働きかけができる会社だと感じています。

同時に、家と違って会社の場合は、自分ひとりが住み心地が良くても意味がありません。みんなが住みやすい家にするには、どうしたらいいのか。そうしたことをよく考えます。

特に、自分が年齢的に定年が見えてきた歳になったせいか、若い世代にどんどん前に出てもらえるように、サポートしていきたいと思うようになりました。

会社が現在よりも一回りも二回りも大きくなっていくには、若い人たちの力が何よりも大切です。若い人たちには、技術的にも人格的にも大きくなってもらって、これからのIKEUCHI ORGANICを支えていってもらいたい。そのために、若い人たちの意見にはどんどん耳を傾けたいし、自分がもっている知識や経験を余すことなく伝えていきたいです。

自分が今の若い世代のメンバーに伝えたものが、そのメンバーたちによって、次の世代へと引き継がれる。それを繋げていけば、先の未来が見えてくるのではないでしょうか。

IKEUCHI ORGANICは、創業120周年となる2073年までに、赤ちゃんが食べられるタオルをつくることを目標に掲げていますが、未来のIKEUCHI ORGANICを見てみたいですね。

インタビュー2023年4月
取材・文/井手桂司
フォトグラファー/木村 雄司

縫製検品出荷課 松本

オススメのタオル:オーガニック120バスタオル

縫製検品出荷課 松本

使いやすくて、良く水を吸い、長持ちするので気に入っています。

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