ずっとふわふわで、贅沢な感じがする肌触りが「プレミアム」って感じがします。
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Vol.39
タオルづくりの起点を担うプレッシャーと向き合う日々
タオルを織る前の重要な工程が、織機(しょっき)にかける経糸(たていと)の準備作業を指す「整経(せいけい)」です。経糸はタオルの強度を保つ役割を果たすため、整経が適切に行われないとタオルの品質が下がってしまう可能性があります。整経を担当する赤星さんに、整経の仕事について語ってもらいました。
整経担当 赤星
伸べをきちんと巻くことが重要な理由
今治本社工場で、整経を担当している赤星です。
タオルの経糸には、2種類の上経糸と下経糸があります。下経糸には強度を保つために強く撚った糸が使用され、上経糸には肌触りを良くするために柔らかい糸が使用されることが多いです。
経糸はいづれも織物の強度と安定性を確保するために、一定のテンションを保ちながら、巻き上げる必要があります。そのため、経糸は織機で織る前の準備作業として、整経が必要となります。
整経の作業は、タオルの設計図に基づいて、使用する糸の種類や量を計算するところからはじまります。そして、糸を数百あるクリールと呼ばれる機械にセットし、「伸べ(のべ)」と呼ばれる大きな糸巻きで巻き取っていきます。巻き上がった伸べはクレーンで運ばれ、織り機にセットし、製織の職人の手でタオルに織られていきます。
伸べがきちんと巻かれていないと、製織の作業が滞ったり、織りあがったタオルの品質にバラツキが生じてしまう可能性があります。整経はタオルづくりにおける起点となるポジションとなるため、大きなプレッシャーを感じながら、仕事に向き合っています。
自分を育ててくれた師匠のような人になりたい
現在は整経を担当している私ですが、この仕事についたのは3年ほど前です。
それ以前は検品部門や縫製部門で働いていたため、当時は整経の仕事について全くの無知でした。ただ、渡邊部長が「整経の仕事、きっと向いてるよ」と言ってくださって、「せっかく話をもらったのだから、やってみよう」とあまり深く考えずに引き受けました。
最初の1年間は、タオルの職業訓練学校に通わせてもらい、整経についてゼロから勉強していきました。ただ、知識として勉強しても、いざ実戦となると全く違います。思うように糸を巻くことが全然できず、整経をやっていけるか不安に思うこともありました。
そんななか、渡邊部長が繋いでくれた縁で、今治の他のタオル会社で整経を長年担当されていたベテラン職人の方が、期間限定でIKEUCHI ORGANICに手伝いに来てくださることになりました。
その方のことを私は心から尊敬していて、「師匠」と呼ばせてもらっています。整経の技術や知識だけでなく、仕事への向き合い方についても色々と教わりました。今、私が整経としてやっていけているのは、その方の存在が大きいと感じています。長年培ってきたものを、私のような駆け出しに惜しげなく教えてくれて、感謝の想いでいっぱいです。
自分がベテランと呼ばれる頃には、師匠のように、新しく整経の仕事についたメンバーに様々なことを教えられる自分でありたい。そんな目標が芽生えました。
強いプレッシャーを感じるほど、人間は強くなる
整経の難しいところは、感覚で覚えることが多いことです。
糸のテンションは数字では測れないので、手で触って、目で確認していくしかありません。ほんのわずかの差で、仕上がりが変わってきてしまうので、その微妙な違いを見極めていく必要があります。
自分としては「うまく巻き上げられた」と思っても、実際に織ってみると、そうではなかったと判明することが往々にして起こります。そのため、少しでも不安がある時は、製織担当のメンバーに「ちゃんと巻けていましたか?」と確認させてもらい、「しっかり織れたよ」と告げられると、思わずホッと胸をなでおろしてしまいます。
糸のテンションは湿度や気温も関係してくるため、整経のところだけでは調整しきれないこともあります。織りのほうで調整してもらうことも多く、製織のみなさんにはいつも頭が下がる思いです。
繰り返しになりますが、整経とはタオルづくりにおける一番最初の工程であり、自分のミスが仕上がりにまで影響を及ぼしてしまう可能性があります。そのため、プレッシャーはいつになっても消えませんし、消えてはいけないものだとも思います。
プレッシャーについて考える際、記憶に残っている池内代表からのメッセージがあります。
私が整経になって初めて伸べを巻いた時、渡邊部長がその伸べの写真を社内に共有して下さった際のことでした。「ゼロからはじめて、ここまでよく頑張った」というニュアンスを込めて、「強いプレッシャーを感じるほど、人間は強くなる」という旨のメッセージをいただきました。
本当にそうだなと思っていて、今でも強いプレッシャーを感じた際には、代表からのメッセージを心の中で反芻するようにしています。
インタビュー2023年4月
取材・文/井手桂司
フォトグラファー/木村 雄司
オススメのタオル:オーガニックエアープレミアムバスタオル
整経担当 赤星
IKEUCHI ORGANICの人
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Vol.56
お店に足を運んだ感覚で、オンラインストアを利用いただきたい。
オンラインストアに寄せられるお客様のご要望やご相談に寄り添うカスタマーサポートや出荷管理を担う石川さんにお話を伺いました。
Web カスタマーサポート・出荷管理 石川
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Vol.54
全てのひとに明かりや希望を感じてもらえる、そんな場所でありたい
セールスコンダクター兼ストアマネージャーとして両ストアの責任者をつとめる益田さんに、ストアが目指している姿について語ってもらいました。
セールスコンダクター/ストアマネージャー 益田
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Vol.52
タオル選びを通して、お客さまの「好き」を一緒に探していきたい
東京ストア店長をつとめる福山さんに、IKEUCHI ORGANICとの出会いや、どんな想いをもって店頭に立っているのかを語ってもらいました。
東京ストア店長 福山